株主・投資家の皆様へ

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株主の皆様には、平素より格別のご支援を賜り厚くお礼申し上げます。

当期における我が国経済は、企業業績が堅調に推移し雇用情勢が安定する中、個人消費に持ち直しの兆しが見えるなど、緩やかな回復を続けてまいりました。

耐火物業界の最大の需要先である鉄鋼業界におきましては、自動車や産業機械を中心とした国内需要が堅調に推移したものの、鋼材輸出の減少により通期の粗鋼生産は前期比0.3%減少の1億484万トンとなりました。

当社グループにおきましては、世界トップクラスの総合耐火物メーカーとしての地位の維持・向上に向けて、確実な収益確保とさらなる成長を実現することを中長期的なビジョンに掲げ企業活動を展開しております。当期は「将来にわたる持続的成長に向け中長期的な視点から競争力の確保を図る」を基本方針とする第3次中期経営計画の最終年度にあたり、最重要課題である「設備・人材面における基盤整備」の内、「中核生産設備の新鋭化」としてマグネシア・カーボンれんが製造用プレス及びスライドプレート用焼成炉の導入に取り組みました。また「人材育成」として、社内教育体系の整備充実に重点を置き推進してまいりました。

当期の連結成績につきましては、粗鋼生産が堅調に推移したことに加えてセラミックファイバー製品の売上が好調であったことから、耐火物及び関連製品の売上は増加しましたが、一方で前期においてコークス炉大型建設工事の売上を計上しましたエンジニアリングの売上が減少したため、売上高は1,027億49百万円と前期に比べ9億72百万円(0.9%)の減収となりました。

損益面では、高付加価値セラミックファイバーの売上増加等の増益要因がありましたが、中国産耐火物原料の価格急騰により、鉄鋼向を中心とした耐火物の価格スプレッドが大幅に縮小したことから、営業利益は60億49百万円と前期に比べ2億94百万円(4.7%)の減益となりました。また、経常利益は63億22百万円と前期に比べ43百万円(0.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は34億19百万円と前期に比べ1億82百万円(5.1%)のそれぞれ減益となりました。

今後の国内経済につきましては、引き続き回復基調の中で推移することが予想されます。しかしながら海外においては、アメリカの保護主義的な経済政策と各国の対抗策がエスカレートすることが懸念される等の不安定要因が存在しております。

当社グループにおける国内市場及び海外市場の今後の状況につきましては、国内市場は前年度から引き続き基本的に安定した環境の中で推移するものの、海外市場においては様々な不安定要因の顕在化によって大きな環境変化が生じるものと見込んでおります。また、中国輸入原料の価格高騰につきましては、その原因となっている中国の環境規制強化の出口が見え難いことから今後の原料価格動向も推し量り難く、当社グループの業績において大きな変動要因となります。

こうした中、当社グループは平成30年度を初年度とする第四次中期経営計画(平成30年度~32年度)を策定いたしました。本中期経営計画におきましては、「基盤整備の継続と商品競争力のさらなる強化」をテーマとし、次の5点を重点施策として注力してまいります。

①『設備の基盤整備』総仕上げ

前中期における投資案件の早期戦力化と更なる競争力強化のための追加基盤整備により、安定供給体制の確保と共に、生産性向上効果・コスト削減効果を最大限に発揮させます。

②商品競争力の徹底強化

原料・商品のグローバルな調達力を活かした安定的なサプライチェーンを構築し、品質や安定供給に対する安心感等の顧客満足度を向上させると共に、お客様のニーズに即した新商品の開発及び市場投入の迅速化を図ります。

③成長分野・未開拓分野の捕捉

当社及びグループ会社の商品競争力、工事・エンジニアリングにおける設計・施工技術力、及び海外拠点ネットワーク等、当社グループの総合力を結集し、国内では非鉄及び工業炉分野、海外では米州・インド・アセアン・中国等における販売力を強化し、成長分野・未開拓分野を捕捉することによって事業展開を着実に進めます。

④『人材の基盤整備』強化

競争力の源泉は人材であるとの認識のもと、働き方改革の推進、安定採用と人材育成強化に取り組みます。

⑤5Sを柱とした安全で快適な職場環境の実現

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は職場環境の維持・改善を目的としており、安全のみならずコンプライアンス・品質・生産性等の企業活動のベースとなるものであります。当社グループとして5Sへの取り組みを一層強化・継続し、安全で快適な職場環境の実現を目指します。

本中期経営計画の3年間は、第三次中期経営計画において取り組みました「設備と人材の基盤整備・強化」を踏まえ、当社グループがグローバルサプライヤーとしての立場から積極的な事業展開を図る「飛躍」の期間と位置づけており、最終年度である平成32年度において「連結売上高1,230億円、ROS8%」の達成を目指してまいります。

今後も引き続き、株主の皆様のご期待に応えるべくグループ一丸となって邁進する所存であります。